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PER,PBRって何?それぞれの超基本的な理解と実際の使い方までの考察。

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こんにちは。

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株を検索する際に使うサイトや書籍などには必ずPERとかPBRという数値が記載されています。
株を始めたばかりだと、それが何を意味しているのか分からないですよね。また例えば、『PERが低ければ割安』というだけの認識では間違いなくどこかで痛い目を見るでしょう。
 そこでまずはPERやPBRについての基本的な理解と実際にある株を購入しようとしたときにどのように指標とするかを調べてまとめてみました。



PERって何?

PERは株価収益率(Price Earnings Ratio)の略で、株価が「1株当たりの純利益」の何倍になっているかを示す指標であり、式としては次のようにあらわされます。

PER(株価収益率) = 株価 / 1株あたりの純利益(EPS)

ある会社Aの株価が4000円で1株あたりの純利益(以下,EPS)が100円である場合、PERは40倍、別の会社Bは株価が1600円でEPSが16円である場合、PERは100倍となり、株価としてはA社のほうが高いですが、A社のほうが割安ということになります。つまり基本的な考え方としては、「PERが高いと割高、低いと割安」ということです。
しかし後述しますが、割安だからリターンの期待値が高くなる、という訳でもないようです。
分子である株価が上がれば、PERも上がりやすくなりますし、分母であるEPSが大きければ、PERは下がりやすくなります。
じゃあ、常にPERの低い割安の株を買えばいいのか、というとそう単純ではありません。
株価が高いということは多くの人に買われている状態であるので、逆に言えば投資家の『期待値』が高いということでもあり、企業の成長の余地があると判断されている、ということになります。
また例えば、EPSが相対的に高いのに株価が安いとはどのような状態か考えてみましょう。株価が安いということは投資家に人気がない、需要がない、買われていないということですね。それに対して純利益は実は多いとなったら、企業はどうするでしょうか。一つとして、株主還元を増やすかもしれません。つまり配当金や株主優待を拡充するなどです。そうすれば、投資家はそれをかぎつけて、その会社の株を買おうとするでしょう。つまり株価が上がるという訳です。
もちろん株価が高い低いというのは株の発行枚数にもよりますので、株価の数値だけで比較することは出来ないですよね。それで1株当たりの純利益EPSで割る、ということで全ての株を同じ土俵で評価または比較する一つの指標がPERということです。
 あくまで一つに指標です。絶対的な数値ではないし、株を購入する際の根拠とする多くの材料の中の一つにすぎません。



日本企業のPERの平均は15倍くらい。

日本企業のPERの平均は15倍くらいといわれています。これより高ければ、割高、安ければ割安と判断するのも基本です。実際は業種によっても異なります。
東京株式市場全体(TOPIX)の過去5年間(2012年初~2016年末)の平均(日次)は、14.7倍だったので、日本企業の平均が15倍というのは大体あっています。


PERと過去の実績(2002~2016)

PERが低いほうが割安、とはいうものの過去の実績はどうだったのでしょうか。つまり、実際にPERが15倍未満の株を購入して放置したリターンと15倍以上のものを購入して放置したリターンです。PERについての記事はネット上にも多く見られましたがが、ある記事で非常に興味深い内容がありました。
一つはTOPIX採用銘柄のうち時価総額の大きい1,000銘柄について、過去15年間(2002年初~2016年末)のデータを用いて、次のシミュレーションを行ったもの。1. PERが15倍未満の株式をすべて同じ金額だけ買ったポートフォリオを作り、毎年年末にPERが15倍未満の株式でポートフォリオが構成されるように見直す。これをここでは、「15倍未満P」と呼ぶ。
別個に、PERが15倍を超える株式をすべて同じ金額だけ買ったポートフォリオを作り、毎年年末にPERが15倍を超える株式でポートフォリオが構成されるように見直す。これをここでは、「15倍超P」と呼ぶ。
これを15年間繰り返します。

もう一つは明確に高いPERと、明確に低いPERについて、改めてシミュレーションを行ったもの。PERが30倍を超える株式を集めたポートフォリオ(30倍超P)と、PERが10倍を下回る株式を集めたポートフォリオ(10倍未満P)を計算してあります。

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出展:株の教科書.com

PERについて学ぶときにすべての人に認識しておいてほしいのはこの表です。ネット上の情報は嘘偽りにあふれているが、数字は嘘をつきません。
トータルリターンは要するに配当も含めた利益です。まず左側の15倍越えと15倍未満のトータルリターンをみると15倍超えのほうが大きいですね。15倍越えの株をあつめて買ったほうがもうかったということになります。ただし、平均リターンで見ると0.5%の差なので大きな差はないともいえます。次に標準偏差をみよう。標準偏差は上がり下がりの大きさ、ばらつきを示しているので、15倍未満株のほうが上がり下がりが大きかったということです。これは15倍越えよりもリスクが高かったということを示しています。
次に30倍越えと10倍未満を見てみましょう。トータルリターンは両方とも左側よりも上がっています。しかしながら、こちらにおいても30倍越えのほうがやはりリターンが大きいです。標準偏差も30倍越えのほうが低いですね。左側と右側のリターンと標準偏差を比べると、右側はリターンは大きくなり、リスクは上がったということです。つまり右側のほうがハイリスクハイリターンだったということになります。

つまりこれから言えるのはPERが『15倍未満だから割安』というのはリターンとは何の関係もないよ!っていうことだけですね。むしろ15倍から離れたほうが、しかも高いほうがリターンは大きくなるし、低いよりも高いところのほうがリスクは小さくなりやすいということを示しています。
もちろんこれは2002年初~2016年末という期間限定的なものなのでこれからも常にそうなるとは分からないが、ネット上には『PERが15倍未満だと割安』という表現に踊らされて、『PERは低いほうがリターンが期待できる』とおもってはいけません。



じゃあ、PERをどのように使えばいいの?

ではPERをどのように利用すればいいのでしょうか。
その手順を見てみましょう。


まずはぱっと見で平均よりも割安か割高か判断する(リターンとは関係ない)

株価を検索するサイトで僕はよく『Yahoo!ファイナンス』とか『みんかぶ』を使いますが、そこには必ずPERが載っています。
適当な、または購入候補の企業を検索し、その数値から現在の株価が日本企業の平均に対して割安か割高かくらいならぱっと見てざっくりと判断できるかと思います。
先ほど見たように割安だからリターンが、というのは何の因果もないですが。

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例えばこれは『みんかぶ』のサイトで検索したKDDIの詳細です。
赤で囲ったところにPERとあり、この時は10.01倍なので日本の大体の平均である15倍からすると割安なんだなぁ、というのが分かります。


PERを業界の平均と比較してみる。

各業界によってPERはことなります。IT業界の企業は一時的に期待値が膨らんで高くなりやすいということもよく聞きますね。以下は各業界別のPERの平均の予想を示したもの。

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業界別平均PER

これも購入候補の企業のPERがどのくらいの位置にあるかを確かめる目安くらいにはなるでしょう。


同業の他の企業と具体的に比較する。

もう少し具体的に他の企業と比較してみましょう。これには『会社四季報オンライン』を利用するといいです。有料だと使える機能が増えますが、無料版でも結構いいです。
先ほどのKDDIで見ると以下のようになっています。

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会社四季報オンラインより

下にスクロールして降りていくと、『ライバル比較』と書いてある欄があります。そこに『売上高』『時価総額』『PER』『PBR』等が同業社でな並んでいます。
PERを比較するなら、同じくらいの時価総額のものをピックアップしましょう。
この場合はKDDIのほかに『NTT』『NTTドコモ』『ソフトバンク』とします。それぞれのPERを見ると『11.06』『14.47』『14.05』であり、その平均は『13.19』となります。KDDIは『10.59』なので同業内でも割安かな、という目安になるわけです。まぁこの程度ならわざわざ計算しなくても見てすぐにわかります。


過去のPERと比較する。

購入検討の銘柄の過去のPERも参考になりますね。
PERが下がったらその後どうだったのか、上がったら何が起こったのか。絶対ということはわかりませんが、傾向はわかります。
端的にそれが調べられるのが、マネックス証券の『銘柄スカウター』です。マネックス証券口座を持つ人なら無料で使えます。筆者は残念ながら解説してないので使えません。
他に良い調べ方を探しています。

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マネックス証券『銘柄スカウター』

ちょっと小さくてみにくいですが、赤い線が予想PERのグラフです。『銘柄スカウター』では過去5年間のグラフ表示ができるそうです。 とてもうらやましいです。ほかにすぐに利用できる良いツールはないでしょうか。


PERで目標株価を予測する。

PERは目標株価を予測し、それに対して割安、割高という判断をする際に使えます。計算はとても簡単でPER = 株価/EPS(1株純利益)でしたよね。

今の段階でEPSが200円で株価が2000とします。するとPERは10倍ですよね。
じゃあこの会社が来期に10%の増益予想をしたとしましょう。
EPS = 220(円)でPERが10倍とすると株価は2200円になるだろう、と予想されます。
これだけでもいいですが、もし増益予想が投資家に知れ渡ったら、人気が出てPERがもっと上がってもいいですよね。
そのように予想します。PERが11倍になるとすると、株価は2420円といという予想になります。

そこで現在の株価と比較することで今は割安なのか織り込みなのかの判断材料になるわけです。

これでPERについては終わりです。また何かあったら追加します。

次はPBRについてです。


PBRは『資産』から株価が割安か割高か判断する。

PBRはprice to book valueの略で、株価が1株あたりの純資産(BPS)の何倍で取引されているかを示す指標です。純資産と比較して、現在の株価が割安か割高かということを判断するために使います。
式にすると以下の通り。

PBR = 株価 / 1株あたりの純資産(BPS)
BPS = 純資産 / 株式発行枚数

PBR = 1の時は『時価総額』と『純資産』が同じということです。
僕なりの考察なのでもしかしたら間違っているかもしれないけど、純資産というのは要するに会社の持つ実際の『資産の合計』です。例えば、会社では定期的に棚卸がありますよね?
そこでカウントするものはもちろん、会社の設備や土地、商品、有価証券も含めて会社が持っている資産。株価をその1株当たりの純資産で割ったもの。
ではPERと何が違うのでしょうか。
PERは株価/1株当たりの純利益でしたね。分子である株価は両方とも同じです。違うのは『資産』でみるか、『利益』で見るか、ということですね。
『資産』とは会社が持っているものなので、それをもとにして利益を生み出す経済活動をします。それに対して利益は会社が得た(得るはずの)利益です。
このように考えると『資産』と『利益』は別物ですが、全く関係がないわけではありません。
でもそこにどれだけ相関があるかはどんなビジネスモデルなのかにもよりますし、将来性にもよりますし、業種にもよるでしょう。
だからどちらかだけで判断するというよりも両方を株式投資の参考にすべきなのです。


PBR = 1倍以下とはどういう状態?

PBR = 1倍とはつまり株価によって上下する『時価総額』が会社をたたむ際にすべて売り払ってお金に買えたときに残る『解散価値』よりも低いとということです。
つまりそれだけ株価が下がっていることなので、会社が解散したら理論上は購入した株価よりも多い金額が返ってきてもいいわけです。そういうイメージで行くとPBR = 1倍以下の株は『割安』ということになります。

PBR = 1倍の状態を具体的に考えてみたときに、良くないこともあります。
例えば、会社の総資産が正確に見積もられてるとは限らないこと。会社を解散してすべて売り払ったとしても同額が残るとはだれも保証できませんよね。想定よりも安くなることが普通です。
そして、株式による投資家資本よりも会社が稼げていない場合。利益がなないということですね。赤字が続いているとか。
何もないところから利益を生み出すことは出来ません。『資産』をもとにして、利益を生み出すわけですが、利益がなければどんどん『純資産』は下がっていきます。
結果、投資家の投資額よりもずっと少ないお金しか残らなかった、となっても何も不思議ではありません。


PBRの効果を過去の実績から探る。

PERは高PERに投資したほうがリターンもリスクも低いという結果でした。ではPBRはどうでしょうか。
TOPIX採用銘柄のうち、時価総額の大きい1000銘柄の中からPBRの高い100銘柄を選んでポートフォリオにします。これを「高PBRポート」とします。毎年の年末時点で、最もPBRが高い100銘柄のポートフォリオになるように、銘柄を入れ替えます。これを過去15年間(2002年〜2016年)続けたシミュレーションの結果『高PBRポート』です。同様に『低ポート』はPBRの低いほうから選びます。『中ポート』も作ります。
それぞれのトータルリターン等をまとめた表が以下になります。

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出展:株の教科書.com

トータルリターンを見ると圧倒的です。PBRが低いほうに向かって有利になっているのが分かります。高PBRポートではトータルリターンは12.9に対して低PBRポートでは831.7と大きく違います。
またポートフォリオのリスクを示す標準偏差においても、低ポートが19.9であるのに対して、高PBRポートは19.2と変わりありません。リスクが同じでリターンがこれだけ違えば、どちらがいいかは一目瞭然ですね。
さらに、リターンを1単位得るために、どれだけリスクを取らなければならないかを示す変動係数(=標準偏差÷平均リターン)でみると、高PBRポートが5.57であるのに対して、低PBRポートでは1.03にとどまります。すなわち、高PBRは低PBRよりもはるかに高いリスクを負担しているということです。
よってPBRでみるとリターンにおいてもリスクにおいても低PBRのほうが有利ということになります。
中ポートを見ても、高ポートと低ポートの間にどの項目も来ているので、PBRと投資先の有利さの相関は明らかですね。

これはPBRの使い方の前提になるのではないかと思います。つまりPBRは低いほうが有利。だからといって、PBRの低いものだけ買いあさろうとしてもお金の上限もありますし、中には低いままも終わって倒産していく企業もあるでしょう。
次にしなければならないのはPBRの低い企業の中でも、健全だけど低めになってる優良企業をどのように発見するかということではないでしょうか。
もちろんPBRも業者平均や同業他社と比較するというつかいかたもあります。

PBRについて更に知りたい場合はこの方の記事がもっとも本質的な気がします。
PBRの使い方を徹底解説


以上です。
また何かありましたら追記修正します。