Saudades

内外共に暮らしを豊かにするwebメディア

ポルトガル語単語の構成。単語の派生形のパターンを知れば、語彙力をつけるのがずっと楽になるよ。

スポンサードリンク

f:id:my-load:20190816184033j:plain

ポルトガル語の勉強をするときに語彙力を身につけることは簡単ではないが、単語の形成の基本的なプロセスを知っておくことで少し助けになると思う。
具体的には派生形(derivação)と合成形(composição)と呼ばれる。
二つの違いとしては派生形は基本的に一つの語幹から形成されるのに対して、合成形は一つ以上の語幹から形成される。
ではどういうことか具体的な例を見ていこう。

派生形(Derivação)

派生形(Derivação)は原形(primitiva)と呼ばれる存在している単語から派生(derivada)によって新しい単語を得るプロセスである。
つまり原形に何かくっつけて、似たような意味を内包する動詞だったり、名詞だったりを創ると思えばいい。
難しいことではない。如何に例を挙げる。

原形(Primitiva) 派生語(Derivada)
mar marítimo, marinheiro, marujo
terra enterrar, terreiro, aterrar

上の表の中でmarとterraは原形であることがすぐにわかると思う。その原形に文法的に言えば接頭語や接尾語を足して、新しい単語を作っているのが右側だ。これを派生語(derivada)という。

marítimo(海の、海に住む), marinheiro(航海の、船乗り), marujo(船乗り)
enterrar(埋める), terreiro(地球の、地上の), aterrar(土で覆う、着陸する)

いずれの派生形も原形の単語と関係する意味になっているのが分かると思う。このように実際に知らない単語であっても、語幹の原形の意味が分かれば何となく理解できることがある。
 enterrarやaterrarのように名詞の頭に『en』や『a』を付けて動詞化する単語はポルトガル語にはたくさんある。そのことを知っているだけでも単語の理解を助けてくれると思う。
ちなみにこの『en』とか『a』はおそらく前置詞の『em』とか『a』から来ており、意味としては両者は近いのだけど、少しイメージが異なると思う。『em』は『場所』や『時点』を表すのに対して、『a』は『動作の方向』を表すようなイメージである。
従って、enterrarも動詞だけれど、aterrarのほうがより積極的に土をかぶせるとか地面に接近するようなイメージがある。
このようなイメージは単語のニュアンスを理解する手助けをしてくれると思う。


派生形の種類にはどんなのがあるの?

ここで紹介するのは一部だけどその他の派生形の種類を挙げる。

接頭語による派生形

原形に接頭語が付くことによって、意味が変わる

crer- descrer
ler- reler
capaz- incapaz

接頭語にもどんな原義があるかが分かれば初めて見た単語でも理解できるようになると思う。上の例でいえば、descrerは「信じない」という意味だから『des』には否定的な意味があることが分かる。
辞書で検索すると『des』には『反対』『分離』『無』『強調』という意味があると書いていある。ちなみにすべてそうだという訳ではないので注意しよう。例えばdescreverには別に否定的な意味はない。

relerも『re』は英語でも『反復』の意味でつかわれることが多いので理解しやすいだろう。このように英語と同じ場合もある。
incapazの『in』はやはり否定の意味でつかわれることが多い。


接尾語による派生形

接尾語によっても単語の意味の変化や文法的な語群の変化を受ける。例えば

alfabetização

この例では、『-ção』が接尾語である。alfabetizar(読み書きを教える)という『動詞』は、元々は『alfabeto』という名詞だったが、『izar』の接尾語で動詞となり、さらに『-ção』が付くことで別の意味の名詞となっている。
分かりにくいがまとめると
alfabeto(名詞)→ alfabetizar(動詞)→ alfabetização(名詞)
と変化している。


接尾語による派生形は次のパターンがある。
1.名詞的用法、名詞または形容詞を形成する。
papel - papelaria(名詞)
riso - risonho(形容詞)

2. 動詞的用法、動詞を形成する。
atual - atualizar

3. 副詞的用法、副詞を形成する。
feliz - felizmente

menteを付ければ、副詞化できるのはいろんな場面で使えるのでしっかり覚えておくといいと思う。



補足

同じ語幹で接頭語と接尾語それぞれで派生形を創る単語がある。例を挙げると

原形

接頭語 語幹 接尾語 派生語
leal des leal dade deslealdade
feliz in feliz mente infelizmente

また先ほど既に出ているが、接頭語と接尾語の両方がついて初めて派生語になる場合もある。例えば『triste』という形容詞は接頭語『en』と接尾語『ecer』がついて『entristecer』となる。この場合は、"entriste"という単語はないし、"tristecer"という単語もない。

こういう形はかなりあるので、いろんな単語に触れながらこの場合はこういう意味になるということをインプットして行こう。

原形

接頭語 語幹 接尾語 派生語
mudo e mud ecer emudecer
alma des alm ado desalmado




退行的派生語(Derivação Regressiva)

まぁ呼び方などはどうでもいいけど、語幹に何か接頭語などが付くのではなくて、短縮されることによって生じる派生語もある。例えば、

comprar (動詞)
compra (名詞)
beijar (動詞)
beijo (名詞)

等である。この場合は動詞の活用形と同じ形をしているが、名詞の意味で使うので注意しよう。そういう場合は文の中では冠詞(o,aなど)が付くのでそれで判断できる。
このように動詞から形成される派生語の名詞は結構多い。

o portuga (de português)
o boteco (de botequim)
o comuna (de comunista)

だったり、

agito (de agitar)
amasso (de amassar)
chego (de chegar)

通常のプロセスでは名詞から動詞が出来るのが一般的だが、退行的派生では逆であるということだ。


不適切な派生語(Derivação Imprópria)

不適切な派生では、接頭語などの付加や退行的派生のような短縮なしで派生語として機能する場合がある。以下に例を挙げる。
1.形容詞が名詞になる。
Os bons serão contemplados.
原形bomは本来形容詞だが、ここでは名詞的に使われている。表現は自由だ。

2.分詞が名詞または形容詞として機能する。
Aquele garoto alcançou um feito passando no concurso.
ここではpassandoという現在分詞がその前までの文に対して形容詞的に機能しているのが分かる。こういう使い方はポルトガル語では重宝する。Aquele garoto alcançou um feitoという文を何を通してそれを成し遂げたかということを付け加えて説明している。

3. 不定法が名詞的に機能する。
O andar de Roberta era fascinante.
O badalar dos sinos soou na cidadezinha.
andarもbadalarも本来は名詞である。しかしこの例では名詞のように用いていることが分かる。英語だったら、現在分詞の形にして同様の使い方をすると思うけど、ポルトガル語では動詞の現在形というか原形で名詞として用いることが出来る。これも結構多用されます。

4. 名詞が形容詞として機能する。
O funcionário fantasma foi despedido.
O menino prodígio resolveu o problema.
fantasmaもprodígioも本来は名詞だが、前の名詞に対して形容詞的に働いている。

5. 形容詞が副詞として機能する。
Falei baixo para que ninguém escutasse.
baixoが形容詞的に働いている。訳すと『誰にも聞かれないように小さな声で話した』という感じ。


ここまでが派生形(derivação)についての一般的な解説である。最初に合成形(composição)というのもあると書いたが、そんなに大した内容ではないので割愛させていただきます。派生形(derivação)があるということを少しでも頭に入れたうえでいろんな単語や文に触れていけば、法則を理解しやすく結果ポルトガル語習得を手助けしてくれるのではないかと思います。
じゃ。