こんにちは。(この記事は短いです)
今日はポルトガル語の「sequer」という単語の使い方について紹介しようと思います。
意味は単純ですが、ちょっと分かりづらい部分があり、調べてみました。結果、私自身理解できていなかった部分がよくわかり満足でした。
「sequer」という単語の使い方を大別すると次の2つです。
① 単体で『すくなくとも』『せめて』という意味
② 否定語と共に使い『~すらない』という意味
この二つで理解すればよさそうです。
ただし、実は②の用法に落とし穴があります。
ポルトガル語の文法的には『nem』などの否定語と共に使うのが正解ですが、最近は単体でも否定の意味で用いることがあるとのこと。
言語というものも常に変化していくので仕方がないのでしょう。
『すくなくとも』『せめて』という意味の『sequer』
これが本来の『sequer』の意味です。
ちなみに『すくなくとも』『せめて』はポルトガル語では『ao menos』とか『pelo menos』というほうが一般的。
この用法では『sequer』を否定の意味で用いていません。以下例文。
Eu teria feito tudo, caso ela me tivesse dado sequer um pingo de atenção.
彼女が私に少しの注意でも払っていれば、私はなんでもしたでしょう。
この文の前半は『ter』動詞の過去未来形『teria』を使った完了形なので少し難しいです。
後半の文では、否定語はなく『sequer』が使われています。
後半部分を正確に訳すと『彼女が私に少なくともほんのわずかの注意を払っていれば』という意味になりますね。
否定語と共に使い『~すらない』という意味の『sequer』
『sequer』を否定の意味で使用する場合は、以下のような否定語と一緒に用いるのが文法的には正しいです。
・não
・nem
・sem
・nunca
Etc...
次にいくつか例文を載せました。
O Juiz nem sequer mencionou tal incongruência.
裁判官はそのような不一致について言及すらしませんでした。
Ela não disse sequer uma palavra.
彼女は一言も言いませんでした。
Queria ficar rico sem sequer trabalhar um dia.
いつか働くこともないくらい裕福になりたいのですが。
このように『~すらない』とか『~もない』という意味で使っているのが分かります。
ちなみに『~もない』という意味では『nem』のほうが良く使うと思いますし、2文目などは『sequer』を『nem』にしても全く同じ文にできるでしょう。
Ela não disse nem uma palavra.
彼女は一言も言いませんでした。
こちらの方が一般的です。
口語などでは否定語無しで用いられることも
これが私が混乱した理由の一つです。
『sequer』を否定で用いるときは否定語と一緒に、というのがルールではありますが、最近は、特に口語では『sequer』だけでも否定語として作用するようです。
使われる機会が増えるほど人々の認識も変わってくるので、辞書などにも載るようになってきている、というような記述もブラジルのサイトでは見受けられました。
従って下記のような
Ele estava tão chateado que sequer falou comigo.
彼はとても怒っていて、私に話しかけることすらしませんでした。
Sequer quero saber o que aconteceu. Estou cansada de confusões.
何が起こったのか知りたくもありません。 私はこの混乱にうんざりしています。
Devido à doença, minha avó sequer se lembrava de mim.
病気のため、祖母は私を覚えてすらいませんでした。
となります。これらは本来『nem sequer』とすべきですが、別に間違っているとは認識されないようです。
まとめ
『sequer』の使い方には以下の二つがあります。
①『少なくとも』『せめて』
②『~すらない』『~もない』
②の意味は本来否定語と共に用いますが、最近は単体でも可能ということで、基本的にこの2つの意味があるという風に認識しておけばいいのかなと考えます。