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【旧約聖書紹介】ロトとその娘たち及び塩の柱になったその妻について

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こんにちは。
今日は旧約聖書に出てくるロトとその娘たち及びロトの妻について簡単に紹介したいと思います。ロトまで来るとさすがに聖書になじみのない方は聞いたことがないかもしれませんね。
ロトは何者かというとユダヤ教、キリスト教、イスラム教すべてにおいて信仰の父といわれる【アブラハムの甥】にあたる人物です。
つまりアブラハムの兄弟であるハランの子供ということです。
しかし聖書を見るとハランは父親であるテラよりも早く死んだとありますのでロトはアブラハムと一緒にいることが多かったようです。
アブラハムは元々住んでいたところがありましたが、神より

「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。」

といわれて故郷を発つようになります。その時にロトもついていきました。
そのような記載を見るとおそらくロトはアブラハムを慕っていたか尊敬していたのではないでしょうか。
聖書の中にこのロトの歩みが少し出ているので自身の忘備録としても記事にしておこうと思いました。なぜかというと聖書に記載されているということは何か教訓であったり神の意図があったりするからです。

それでは。


従者たちの争いによるアブラハムとロトの別れ

最初に書いたようにしばらくの間はアブラハムとロトはその従者たちも含めて一緒に住んでいましたが、ある時に互いに分かれて住むようになります。
その時の内容が下記です。

5) アブラムと共に行ったロトも羊、牛および天幕を持っていた。
6) その地は彼らをささえて共に住ませることができなかった。彼らの財産が多かったため、共に住めなかったのである。
7) アブラムの家畜の牧者たちとロトの家畜の牧者たちの間に争いがあった。そのころカナンびととペリジびとがその地に住んでいた。
8) アブラムはロトに言った、「わたしたちは身内の者です。わたしとあなたの間にも、わたしの牧者たちとあなたの牧者たちの間にも争いがないようにしましょう。
9) 全地はあなたの前にあるではありませんか。どうかわたしと別れてください。あなたが左に行けばわたしは右に行きます。あなたが右に行けばわたしは左に行きましょう」
10) ロトが目を上げてヨルダンの低地をあまねく見わたすと、主がソドムとゴモラを滅ぼされる前であったから、ゾアルまで主の園のように、またエジプトの地のように、すみずみまでよく潤っていた。
11) そこでロトはヨルダンの低地をことごとく選びとって東に移った。こうして彼らは互に別れた。
12) アブラムはカナンの地に住んだが、ロトは低地の町々に住み、天幕をソドムに移した。

詳細はアブラハムの記事にて書こうと思いますが、この少し前にひと悶着あってアブラハムたちは非常に裕福になっていました。
また「ロトも羊、牛および天幕を持っていた。」とありますが、ロトがこの時点でそんなに自分で財を築いているわけありませんのでおそらくアブラハムがロトに分け与えていたと考えられます。
そこでアブラハムとロトの従者たちの間で争いがおこったのでアブラハムの提案により、ロトは「ヨルダンの低地」を選び取ったとあります。
ロトはその後「ソドム」という町に住むようになりました。

「ソドムとゴモラ」って聞いたことありませんか?

これは聖書に出てくる町の名前です。詳細は割愛しますが、色欲(特に男色)が激しい罪深い街だったので神の怒りに触れ滅ぼされることになります。
ソドムとゴモラの町が現在のどこにあったのかということはわかりません。
一説によると死海南部の湖の底に沈んだとされています。
そしてここで少し僕が注目しているワードは「ロトはヨルダンの低地をことごとく選びとって東に移った。」とある「ことごとく」です。
「ことごとく」というのは言い換えると「残らず。すべて。みな。」という意味です。
分かれて住むのを提案したのはアブラハムですが、ロトからすれば叔父なのでアブラハムは一族で最も地位の高い人物です。そのアブラハムに対して、ロトは「ことごとく」とることを提案したのです。
中々図々しい印象を受けます。
またはロトは遠慮なく良いものを自分のものとしようとする欲深い人だった可能性があるのでは?とも思います。そしてもう一つは逆にアブラハムは非常に信仰的で寛大な人物だったのではないか?というものです。ロトがそのような申し出をしてもアブラハムは文句を言ったり怒ったりしていません。特に描写はないですが、ロトの願った通りになっています。これはロトの提案をアブラハムが受け入れたということです。

さて、それではソドムに移り住んだロトはどうなったのでしょうか?
この直後に、ソドムや周辺の町々で戦争があり、ロトも捕虜としてとらえられていくのですが、そのロトを助けたのはやはりアブラハムでした。これはアブラハムの勇敢さが感じられる部分ですのでアブラハムの記事にて紹介しようと思います。(ここでは割愛)


二人の天使がロトが住むソドムの町に訪ねてくる。

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1) そのふたりのみ使は夕暮にソドムに着いた。そのときロトはソドムの門にすわっていた。ロトは彼らを見て、立って迎え、地に伏して、
2) 言った、「わが主よ、どうぞしもべの家に立寄って足を洗い、お泊まりください。そして朝早く起きてお立ちください」。彼らは言った、「いや、われわれは広場で夜を過ごします」。
3) しかしロトがしいて勧めたので、彼らはついに彼の所に寄り、家にはいった。ロトは彼らのためにふるまいを設け、種入れぬパンを焼いて食べさせた。
4) ところが彼らの寝ないうちに、ソドムの町の人々は、若い者も老人も、民がみな四方からきて、その家を囲み、
5) ロトに叫んで言った、「今夜おまえの所にきた人々はどこにいるか。それをここに出しなさい。われわれは彼らを知るであろう」。
6) ロトは入口におる彼らの所に出て行き、うしろの戸を閉じて、
7) 言った、「兄弟たちよ、どうか悪い事はしないでください。
8) わたしにまだ男を知らない娘がふたりあります。わたしはこれをあなたがたに、さし出しますから、好きなようにしてください。ただ、わたしの屋根の下にはいったこの人たちには、何もしないでください」。
9) 彼らは言った、「退け」。また言った、「この男は渡ってきたよそ者であるのに、いつも、さばきびとになろうとする。それで、われわれは彼らに加えるよりも、おまえに多くの害を加えよう」。彼らはロトの身に激しく迫り、進み寄って戸を破ろうとした。

まず最初のところ、「その二人のみ使い」とあるのでこれは一般的には天使であると考えられています。二人の天使がソドムの門についたら、たまたまそこに座っていたロトが目撃し、自分の家に招き入れたということですね。
種入れぬパンとは「膨張剤」を使わずに焼くパンのことです。
ではなぜロトは二人の天使を自分の家に招いたのでしょうか?
その次の場面ではロトの家を人々が取り囲み「今夜おまえの所にきた人々はどこにいるか。それをここに出しなさい。われわれは彼らを知るであろう」。と言っています。ここでいう「知る」とは、性行為をするということです。つまり襲い掛かるつもりなんですね。
でも一つ明らかにしておきたいんですが、この天使たちの性別は男性だと考えられています(理由は割愛)。
つまりソドムの人が男色が多いといったのはこの辺りにも表れているわけですね。ロトはそうなることを知っていたので天使たちを匿おうと考えたのです。そのように考えるとロトもおそらくは神の前に正しい信仰を持っていたのではないかと思われます。

でもロトがその次に言ったこともすごいですね。

「兄弟たちよ、どうか悪い事はしないでください。
わたしにまだ男を知らない娘がふたりあります。わたしはこれをあなたがたに、さし出しますから、好きなようにしてください。ただ、わたしの屋根の下にはいったこの人たちには、何もしないでください」

まじか。

これはわかりやすいですが、簡単に言えば「自分の娘を差し出すので、この人(天使)たちには何もしないでください」ということです。
自分の娘たちは犯されてもいいとか、ロトは相当な信仰者だったと思われます。娘たちからすればたまったもんじゃないですね(笑)


ロトと家族達がソドムの町を脱出する、滅びゆくソドムの町

12) ふたりはロトに言った、「ほかにあなたの身内の者がここにおりますか。あなたのむこ、むすこ、娘およびこの町におるあなたの身内の者を、皆ここから連れ出しなさい。
13) われわれがこの所を滅ぼそうとしているからです。人々の叫びが主の前に大きくなり、主はこの所を滅ぼすために、われわれをつかわされたのです」。
14) そこでロトは出て行って、その娘たちをめとるむこたちに告げて言った、「立ってこの所から出なさい。主がこの町を滅ぼされます」。しかしそれはむこたちには戯むれごとに思えた。
15) 夜が明けて、み使たちはロトを促して言った  「立って、ここにいるあなたの妻とふたりの娘とを連れ出しなさい。そうしなければ、あなたもこの町の不義のために滅ぼされるでしょう」。
16 彼はためらっていたが、主は彼にあわれみを施されたので、かのふたりは彼の手と、その妻の手と、ふたりの娘の手を取って連れ出し、町の外に置いた。
17 彼らを外に連れ出した時そのひとりは言った、「のがれて、自分の命を救いなさい。うしろをふりかえって見てはならない。低地にはどこにも立ち止まってはならない。山にのがれなさい。そうしなければ、あなたは滅びます」。

最初の二人というのは天使です。
「実は私たちが神に使わされてきたのはこの男色濃い、罪深い街を滅ぼすためです。あなたたちは神の前に正しいので家族とともにこの街を出なさい」ということですね。
またロトの娘たちには婚約者がおり、ロトは彼らにも急いでソドムを離れなさいと言っていますが、「むこたち」はそれを信じなかったようです。

僕がこの場面で少し思い出したのはノアの箱舟の話です。聖書にはノアが箱舟を作る様子は具体的には書かれておりませんが、ノアは箱舟づくりだけしていた訳ではないと考えられています。
つまり、「神によって全人類が滅ぼされるから悔い改めなさい。私が作っている箱舟に乗りなさい」と周囲の人々を伝道しようとしていたのです。
でも結局ノアの家族以外、誰もノアを信じようとはしませんでした。
ノアについては以前記事を書いたので参考に。

www.kenya316.com

そのようにしてロトたちはソドムを去るようになります。ここで天使の言葉の中に「うしろをふりかえって見てはならない。」という警告がありますね。
以下、その次の場面。

23) ロトがゾアルに着いた時、日は地の上にのぼった。
24) 主は硫黄と火とを主の所すなわち天からソドムとゴモラの上に降らせて、
25) これらの町と、すべての低地と、その町々のすべての住民と、その地にはえている物を、ことごとく滅ぼされた。
26) しかしロトの妻はうしろを顧みたので塩の柱になった。
27) アブラハムは朝早く起き、さきに主の前に立った所に行って、
28) ソドムとゴモラの方、および低地の全面をながめると、その地の煙が、かまどの煙のように立ちのぼっていた。
29 こうして神が低地の町々をこぼたれた時、すなわちロトの住んでいた町々を滅ぼされた時、神はアブラハムを覚えて、その滅びの中からロトを救い出された。
30) ロトはゾアルを出て上り、ふたりの娘と共に山に住んだ。ゾアルに住むのを恐れたからである。彼はふたりの娘と共に、ほら穴の中に住んだ。

かくしてソドムとゴモラは滅びました。「硫黄と火」によってとありますが、これも正確なところはわかっておりません。科学的には小惑星の落下によって滅びたのではないかと考えもあるようです。
この場面でロトの妻は「塩の柱になった」とあります。つまり塩の柱になって死んだわけですね。
ここは教訓的に語られることが多いです。
ロトの妻はなぜ振り返ったのでしょうか?
いつくか理由は考えられると思います。
一つはロトの妻はロトほど信仰がなかったのかもしれません。「天使があのように言っていたけど、別に振り返っても大丈夫でしょ」みたいなね。ちょっと浅いというか軽い信仰で天使の言葉(神の言葉)を軽んじた、ということです。
また一つはソドムに未練があったのではないでしょうか。
元々ソドムに住んでいたわけなので、そこに当然、家や財産があったでしょう。洋服や化粧品も置いてあったかもしれません。いきなり家を離れることになったのでそのすべてを持っていく余裕など当然なかったと思われます。
ちょっと違うかもしれませんが、イエスキリストの言葉に
「金持ちが天国に入るのは、象が針の穴を通るよりも難しい」というものがあります。
ロトの妻は神の言葉に従って、それまで持っていたもの(財産や悪しき習慣など)を断ち切ることができなかったのかもしれません。その心を見抜かれたので塩の柱になったのでしょうか。

また教訓的には、人は突き付けられた警告をその通りに受け止めることができない時があります。ロトの妻もそうだったと思われます。つまり
「そうはいっても」「ちょっとだけなら」「一回だけなら」「少しなら」という思いがあったのです。
これは僕たちにも言えることでその一回の過ちが超えてはならない一線であることもあるわけですよね。芸能界などでも特に多いのは「不倫」です。たった一回の過ちでも明るみになると既に手遅れであることも多く、それはこのロトの妻が塩の柱になったのと同じ状況であることがわかります。「少しだけなら」と思ってやってしまったことが取り返しのつかないことになる、という一つの教訓になっているんですね。
ちなみに死海の西部にロトの妻の塩の柱ではないか言われる名所があります。


自らの娘によって子孫を残すことになるロト

その後のロトはどうなったのでしょうか?

30) ロトはゾアルを出て上り、ふたりの娘と共に山に住んだ。ゾアルに住むのを恐れたからである。彼はふたりの娘と共に、ほら穴の中に住んだ。
31) 時に姉が妹に言った、「わたしたちの父は老い、またこの地には世のならわしのように、わたしたちの所に来る男はいません。
32) さあ、父に酒を飲ませ、共に寝て、父によって子を残しましょう」。
33) 彼女たちはその夜、父に酒を飲ませ、姉がはいって父と共に寝た。ロトは娘が寝たのも、起きたのも知らなかった。
34) あくる日、姉は妹に言った、「わたしは昨夜、父と寝ました。わたしたちは今夜もまた父に酒を飲ませましょう。そしてあなたがはいって共に寝なさい。わたしたちは父によって子を残しましょう」。
35) 彼らはその夜もまた父に酒を飲ませ、妹が行って父と共に寝た。ロトは娘の寝たのも、起きたのも知らなかった。
36) こうしてロトのふたりの娘たちは父によってはらんだ。
37) 姉娘は子を産み、その名をモアブと名づけた。これは今のモアブびとの先祖である。
38) 妹もまた子を産んで、その名をベニアンミと名づけた。これは今のアンモンびとの先祖である。

ロトの話はこれで終わりです。
最後まで過激な内容でした笑。
なんとロトの娘たちは父親と性行為に及ぶことによって子孫を残したということです。
いや、いくら酒に酔ってたからって絶対気付くだろ!って思いますよね。
そう考えると聖書にはロトは娘と寝たのも起きたのも知らなかったとありますが、実は気付いていて、娘たちの意図を汲んであげたのではないか?ということも考えられると思います。
そしてロトの子孫はモアブ人、アンモン人という形で増え広がっていったようです。
以上、簡単ですが、アブラハムの甥ロトについてでした。
それでは。