Saudades

ポルトガル語、宗教研究、株式投資を探求するwebメディア。フリーランス目指してます。

旧約聖書のルツを紹介するよ。夫が亡くなっても姑に尽くした孝行の人。

スポンサードリンク

f:id:my-load:20210830205409j:plain

こんにちは。

本日は旧約聖書に出てくる『ルツ記』の『ルツ』について紹介しようと思います。『ルツ記』はわずか4章の短いお話なので読むのも簡単ですよ。

短いながらも、ルツの信仰と孝行心が感じられる感動的な名編なんです。

既に夫が死んでしまったにもかかわらず、義理の母親、つまり姑についていくという決断は中々できるものではありません。

男尊女卑が普通だった当時から現在まで旧約聖書にルツ記が残り続けていることを考えると『ルツ』は模範的な生き方をしたんだなということが分かります。

それではさっそく、『ルツ記』の内容に切り込んでいきたいと思います!

『ルツ記』に登場する『ルツ』の概要

『ルツ』は旧約聖書の『ルツ記』に登場するモアブ人の女性です。自分の最初の夫が死んだ後もイスラエル人として生きる決意をしたことが評価され、旧約聖書に入っています。

『ルツ記』に記されたルツの歩みを要約すると下記です。

・イスラエル人である『ナオミ』の息子と結婚
・ナオミの夫と二人の息子がなくなったので、姑のナオミと二人の義理の娘『ルツ』と『オルパ』が残された。
・オルパは自らの故郷に帰るが、ルツは姑のナオミについていくことを決意する。
・ナオミの故郷で『落穂ひろい』をしながら食いつなぐ日々
・ナオミの親戚のボアズと結婚し、『オベデ』を生む
・オベデはダビデにつながる重要な血統

こんなところでしょうか。

個人的にはルツがなぜナオミについていくことを決意したのか?ということがルツ記を読むポイントではないかと考えています。その理由はすぐに述べます。

ナオミの二人の息子が死んだあと、ルツはどうしたか?

f:id:my-load:20210830205418j:plain

イスラエル人のナオミにはエリメレクという夫と二人の息子、マロンとキリオンがいました。そしてそのマロンとキリオンと結婚したのが、それぞれ、ルツとオルパです。

特に理由は書かれていないですが、エリメレクが死んで後、マロンとキリオンも死亡します。

すると残されたのはナオミと二人の義理の娘ルツとオルパです。

義理の親子だけ残されるとか中々修羅場ですよね笑。嫁2人と姑ですよ。

僕だったら間違いなく耐えられません。

でもナオミも二人の義理の娘たちも関係性は悪くなかったようです。その時のナオミの言葉がこちら。

「あなたがたは、それぞれ自分の母の家に帰って行きなさい。あなたがたが、死んだふたりの子とわたしに親切をつくしたように、どうぞ、主があなたがたに、いつくしみを賜わりますよう。どうぞ、主があなたがたに夫を与え、夫の家で、それぞれ身の落ち着き所を得させられるように」ルツ記1章8節

ナオミは自分と一緒にいても仕方がないから、自分たちの故郷に帰りなさいと二人に言うわけですね。ナオミは優しい人だったのではないかと思われます。

それに対して、ルツもオルパも最初はこの言葉を受け入れようとしませんでした。

ナオミも、『このまま私と一緒にいてもあなたたちは子供を残すことが出来ないので、それはいけません』ということで必死に説得します。

結果、オルパは泣きながらナオミと別れ、故郷に帰るようになります。

しかし、ルツはオルパよりももっと頑固というか、決意が固かったんですね。

ナオミが何を言ってもそばを離れようとしませんでした。

その時の場面がこちらです。

ルツはしゅうとめを離れなかった。 :15)そこでナオミは言った、「ごらんなさい。あなたの相嫁は自分の民と自分の神々のもとへ帰って行きました。あなたも相嫁のあとについて帰りなさい」。 :16)しかしルツは言った、「あなたを捨て、あなたを離れて帰ることをわたしに勧めないでください。わたしはあなたの行かれる所へ行き、またあなたの宿られる所に宿ります。あなたの民はわたしの民、あなたの神はわたしの神です。 :17)あなたの死なれる所でわたしも死んで、そのかたわらに葬られます。もし死に別れでなく、わたしがあなたと別れるならば、主よ、どうぞわたしをいくえにも罰してください」。ルツ記1章15節

この場面で『あなたの神は私の神です』と言っているのはユダヤ教的にはおそらくかなり重要なフレーズです。

純粋はユダヤ人の血統でなくとも、ユダヤの神を受け入れさえすれば、その民に加えられる可能性を示唆しているわけです。

ナオミも死んだ夫と一緒になる前の自分の故郷に帰ろうとし、結局ルツはナオミについていくわけですね。

なぜルツはナオミについていったのか?

この部分を少し掘り下げてみましょう。

なぜルツはナオミについていったのでしょうか?僕が考えるにおそらく二つの理由があります。

一つ目は単純にナオミのことをかわいそうだと思った、ということです。

これは理解しやすいと思います。ナオミの立場って中々つらい立場です。夫に先立たれ、さらに二人の子供にまで先立たれてしまいました。

まだ孫がいれば慰めになりましたが、それもいませんでした。

残されたのは血のつながらない義理の娘2人です。

でもナオミと義理の娘2人の仲は良かったんでしょうね。最初は二人ともナオミについていこうとしたわけですので。

そのようなナオミの立場を考えた時にルツはナオミが可哀そうで仕方がなかったのではないでしょうか。

自分がついていかなければ、ただ一人悲しく老いていくだけの人生しか残されていないナオミのことを思うと、放っておくことは出来ないと考えたのでは?と思うわけです。

それは大変美しい絆です。

通常、嫁姑の関係なんてドロドロしたものしか聞いたことないですからね。

ルツにはそれだけ義理の親を慕う心があったということです。

二つ目の理由は、これは先の展開を知っておかないとわからないのですが、ルツは『ナオミについていくべき』という啓示を受けていたんじゃないかなと思います。

非常に神秘的な、霊的な現象なので非宗教家の方にはわからないと思いますが、ルツは正しい信仰心があったので、神様からナオミについていかなければならないというメッセージを受け取っていて、強烈な焦燥感に駆られていたのではないか?と予想しています。

というのも結果的に、ナオミについていった先でルツはボアズと結婚し、オベデという子供を産むようになります。

そしてこのオベデがダビデの祖父にあたる人物で血統的に重要人物です。

ダビデの血統からはヨセフが生まれます。このヨセフはイエス・キリストの父親なんですね。

まぁ聖書ではイエスはマリアが処女で授かったとなっているので、正確にはヨセフとイエスの間には血のつながりはないです。

上記のようにダビデは通常、キリスト教などではイエスにつながる血統なので超重要人物です。

つまり信仰心の篤かったルツにはこの『オベデを生む』という使命を神より与えられていたんじゃないかということです。

ちなみにイエスの本当の父親は過去の記事の中で解説しています。

イエスの本当の父親は誰?聖書の内容より読み解ける最大の謎!

ナオミとルツは落穂ひろいをしながら生計を立てた

落穂拾い

さて、故郷に戻ったナオミとルツ。

しかし、当然よい仕事はないので、『落穂拾い』をして生計を立てています。古代のパレスチナではそのような権利が貧しい人には認められていました。

つまり、麦を刈り取ったあとの落穂を拾って持って帰ることですね。

それも聖書の中に記述があって

「レビ記」23章22節「畑から穀物を刈り取るときは、その畑の隅まで刈り尽くしてはならない。収穫後の落ち穂を拾い集めてはならない。貧しい者や寄留者のために残しておきなさい。」
「申命記」24章19節「畑で穀物を刈り入れるとき、一束畑に忘れても、取りに戻ってはならない。それは寄留者、孤児、寡婦のものとしなさい。」 とあります。

ちなみにミレーの有名な絵画で『落穂拾い』ってありますよね。あれはこの場面を描いた名画です。

そのような背景があって、落穂を拾っているのかということを知ると、絵画を見る目も変わりますね。感慨深いっていうか。

そして、落穂拾いをしているルツに目をとめたのがボアズでした。

大地主であるボアズの概要

ボアズはどういう人物かというと、麦畑の大地主です。つまりボンボンですね。

でも全然悪い人ではなくてむしろ義理堅い人物です。

ナオミの親戚でもあり、ナオミに尽くし、落穂拾いをして生計を立てているルツに深く感心するわけですね。

10)彼女は地に伏して拝し、彼に言った、「どうしてあなたは、わたしのような外国人を顧みて、親切にしてくださるのですか」。 :11)ボアズは答えて彼女に言った、「あなたの夫が死んでこのかた、あなたがしゅうとめにつくしたこと、また自分の父母と生れた国を離れて、かつて知らなかった民のところにきたことは皆わたしに聞えました。 :12)どうぞ、主があなたのしたことに報いられるように。どうぞ、イスラエルの神、主、すなわちあなたがその翼の下に身を寄せようとしてきた主からじゅうぶんの報いを得られるように」。 ルツ記2章10節

ボアズとルツの結婚

ナオミはボアズが自分の親戚であるということ知って、次のようにルツに指示をします。

:1)時にしゅうとめナオミは彼女に言った、「娘よ、わたしはあなたの落ち着き所を求めて、あなたをしあわせにすべきではないでしょうか。 :2)あなたが一緒に働いた女たちの主人ボアズはわたしたちの親戚ではありませんか。彼は今夜、打ち場で大麦をあおぎ分けます。 :3)それであなたは身を洗って油をぬり、晴れ着をまとって打ち場に下って行きなさい。ただ、あなたはその人が飲み食いを終るまで、その人に知られてはなりません。 :4)そしてその人が寝る時、その寝る場所を見定め、はいって行って、その足の所をまくって、そこに寝なさい。 ルツ記3章1節

つまり、ルツに対して、あなたを結婚させる義務が私にはあります、という感じで言っています。

その後の指示は大変大胆なものです。現代ではありえないものでした。

ボアズが寝入ったのを確認し、その寝ているところに化粧した姿で入って抱かれなさい、みたいなね笑。

『その人に知られてはなりません』とありますが、旧約聖書において『知る』というのは『性行為』をするという意味で使われます。この場面でも多分そう。

ルツはナオミの言ったとおりにしますが、ボアズは義理堅い人なので、すぐにルツに手を出すことはありませんでした。次のように言います。

:12)たしかにわたしは近い親戚ではありますが、わたしよりも、もっと近い親戚があります。 :13)今夜はここにとどまりなさい。朝になって、もしその人が、あなたのために親戚の義務をつくすならば、よろしい、その人にさせなさい。しかし主は生きておられます。その人が、あなたのために親戚の義務をつくすことを好まないならば、わたしはあなたのために親戚の義務をつくしましょう。ルツ記3章12節

もう少し簡単にすると次のような感じ。

私よりもナオミにもっと近い親戚がいるので、先にその人があなたと結婚する気があるかを確認しなければなりません。

その人にその気がないなら、私があなたと結婚します。

しっかり筋を通そうとするあたりもボアズは非常に良識に溢れた人物であると言えそうです。

結局、その近い親戚が拒んだので、ボアズとルツは結婚し、オベデという子供を生みました。

ボアズの血統について

ルツが結婚したこと、子供が生まれたことはルツの信仰やナオミに対する孝行心が報われた瞬間であったと思います。

また同時にナオミにとっても自分についてきてくれて、尽くしてくれるルツが可愛くて仕方がなかったでしょう。ルツを結婚させてあげられたこと、自身に孫が出来たこと等、大変喜ばしい結果となりました。

正しい関係性、正しい信仰、厚い孝行心が報われるというハッピーエンド的な終わりを迎える『ルツ記』は僕自身も聖書の中でかなり好きなほうです。

最後にオベデの血統についての聖句を下記に載せます。

:17)近所の女たちは「ナオミに男の子が生れた」と言って、彼に名をつけ、その名をオベデと呼んだ。彼はダビデの父であるエッサイの父となった。 :18)さてペレヅの子孫は次のとおりである。ペレヅからヘヅロンが生れ、 :19)ヘヅロンからラムが生れ、ラムからアミナダブが生れ、 :20)アミナダブからナションが生れ、ナションからサルモンが生れ、 :21)サルモンからボアズが生れ、ボアズからオベデが生れ、 :22)オベデからエッサイが生れ、エッサイからダビデが生れた。ルツ記4章17節

以上、有難う御座いました。