Saudades

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旧約聖書の『ヨナ』を詳しく解説。悔い改めた人を再び赦し、用いる神の寛容さが感じられるとても良い話です。

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こんにちは。
聖書の『ヨナ』という人物をご存知ですか?
『ヨナ』は旧約聖書に出てくる預言者の一人です。
アベンジャーズではアイアンマンが『ヨナを知ってるか?』と自分のマシン(名前忘れた)に尋ねて、『ヨナの真似はおすすめできません』みたいな回答を得ています。
あのシーンで『ヨナ』って誰だ?ってなった方もいるのではないでしょうか。
『ヨナ』は要約すると神より『召命』された『預言者』の一人です。
神から命令を受けて『ニネベ』という町に行きなさい、と言われましたが、『ヨナ』は逃げ出しました。逃げた『ヨナ』がのっていた船が大嵐に会い、海に投げ落とされたときに鯨に飲み込まれるのです。
旧約聖書の中で『ヨナ書』の内容は実は3ページほどしかありません。
読もうと思えばあっという間に読めるでしょう。
しかし、信仰的な面で『ヨナ』の話は『召命観』の説教などに使われることがあり、比較的有名な話なのです。
今回は旧約聖書に出てくる『ヨナ』を紹介しようと思います。



一度は神に背きも再び決意した預言者『ヨナ』

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聖書に出てくる『ヨナ』って誰?

『ヨナ』は神に『召命』された『預言者』です。
『召命』とは神によって呼ばれる、召喚されるという意味です。
また『預言者』とは一般的な予言者とは異なり、『神の言葉を伝える人』という感じの意味があります。つまり神様からのお告げを受けて人々に正しい道を示す人です。
旧約聖書で最も有名なのは『モーセ五書』と言われる『創世記』から『申命記』の5つの章であり、『アダムとエバ』の時代から『モーセ』の時代までを記述しています。
じゃあ旧約聖書の後半には何が載っているかというと、ユダヤ民族の『預言者』達の書が載っています。
旧約聖書の目次は以下のようになっています。

創世記
出エジプト記
レビ記
民数記
申命記
ヨシュア記
士師記
ルツ記
サムエル記上
サムエル記下
列王紀上
列王紀下
歴代志上
歴代志下
エズラ記
ネヘミヤ記
エステル記
ヨブ記
詩篇
箴言
伝道の書
雅歌
イザヤ書
エレミヤ書
哀歌
エゼキエル書
ダニエル書
ホセア書
ヨエル書
アモス書
オバデヤ書
ヨナ書
ミカ書
ナホム書
ハバクク書
ゼパニヤ書
ハガイ書
ゼカリヤ書
マラキ書

後半には『~書』というのが乱立してますよね。
これがユダヤ民族あるいは『へブル人』の『預言者』達です。途中に『ヨナ書』があるのわかりますか?『ヨナ書』は3ページしかありません。
『ヨナ』もへブル人です。ヘブライ人といったほうがまだ聞き覚えがあるかと思いますが、要するにユダヤ人の先祖ですね。『ヨナ』は『アミッタイ』という人物の子供です。
では『ヨナ書』の第一章から見ていきたいと思います。


第一章『ヨナ』が神に召命されて鯨に飲まれるまで。

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ある時『ヨナ』は神から次のような啓示を受けました。

「立って、あの大きな町ニネベに行き、これに向かって呼ばわれ。彼らの悪がわたしの前に上ってきたからである」。

『預言者』というのは神の言葉を人々に告げる義務があります。この時も神は『ヨナ』に対して命令しました。
『ニネベ』という町に行って『呼ばわれ』とはどういう意味でしょうか。
これは『ニネベ』に悪行を働いている人がたくさんいるから、『悔い改めよ』と多くの人に伝えなさい、という神の命令です。
では、これを言われた『ヨナ』はその後、どうしたでしょうか。
なんと逃げ出しました。神の命令に背いて逃げようとしたのです。
そこでちょうどタルシシというところに行く船があったので『ヨナ』はその船に乗りました。
すると海が大荒れになって大変なことになりました。

それで水夫たちは恐れて、めいめい自分の神を呼び求め、また船を軽くするため、その中の積み荷を海に投げ捨てた。しかし、ヨナは船の奥に下り、伏して熟睡していた。
そこで船長は来て、彼に言った、「あなたはどうして眠っているのか。起きて、あなたの神に呼ばわりなさい。神があるいは、われわれを顧みて、助けてくださるだろう」。

『ヨナ』は船の奥でのんきに寝ていましたが、船長に起こされました。
しかし一向に嵐が収まる気配がなかったので、人々は徐々に神が何かわけがあってこのように嵐を起こしているのではないかと考え始めるようになります。

やがて人々は互に言った、「この災がわれわれに臨んだのは、だれのせいか知るために、さあ、くじを引いてみよう」。そして彼らが、くじを引いたところ、くじはヨナに当った。

誰のせいか、くじで決めるんだ、、、って思うかもしれないですが、当時の人間には普通だったのかもしれません。

そこで人々はヨナに言った、「この災がだれのせいで、われわれに臨んだのか、われわれに告げなさい。あなたの職業は何か。あなたはどこから来たのか。あなたの国はどこか。あなたはどこの民か」。
ヨナは彼らに言った、「わたしはヘブルびとです。わたしは海と陸とをお造りになった天の神、主を恐れる者です」。
そこで人々ははなはだしく恐れて、彼に言った、「あなたはなんたる事をしてくれたのか」。人々は彼がさきに彼らに告げた事によって、彼が主の前を離れて、のがれようとしていた事を知っていたからである。

『ヨナ』は元々神様より命令を受けていたのにも関わらず、それを蔑ろにして逃げてきたのだということを白状します。

この後『ヨナ』がどうなったかというと、これは『ヨナ』が自ら進言するのですが、船の乗組員たちに『自分を海に投げ入れなさい』といいます。

『ヨナ』が海に投げ入れられると海は穏やかになりました。
さて、『ヨナ』はどうなったでしょうか。

主は大いなる魚を備えて、ヨナをのませられた。ヨナは三日三夜その魚の腹の中にいた。

海に落ちた『ヨナ』は大きな魚に飲まれました。これは鯨だといわれることが多いですが、実際には『大いなる魚』としか記述はありません。
ディズニーでピノキオってありますよね。あの作品には『モンストロ』という鯨の王様が出てきますが、おそらくあれは、この『ヨナ』の話に着想を得ているのではないかと思います。


第2章大いなる魚の中で悔い改めた『ヨナ』

既に見た通り、『ヨナ』は大いなる魚の中に三日三晩いました。
そこで『ヨナ』は神に対して次のように祈りました。

「わたしは悩みのうちから主に呼ばわると、主はわたしに答えられた。わたしが陰府の腹の中から叫ぶと、あなたはわたしの声を聞かれた。
あなたはわたしを淵の中、海のまん中に投げ入れられた。大水はわたしをめぐり、あなたの波と大波は皆、わたしの上を越えて行った。
わたしは言った、『わたしはあなたの前から追われてしまった、どうして再びあなたの聖なる宮を望みえようか』。
水がわたしをめぐって魂にまでおよび、淵はわたしを取り囲み、海草は山の根元でわたしの頭にまといついた。
わたしは地に下り、地の貫の木はいつもわたしの上にあった。しかしわが神、主よ、あなたはわが命を穴から救いあげられた。
わが魂がわたしのうちに弱っているとき、わたしは主をおぼえ、わたしの祈はあなたに至り、あなたの聖なる宮に達した。
むなしい偶像に心を寄せる者は、そのまことの忠節を捨てる。
しかしわたしは感謝の声をもって、あなたに犠牲をささげ、わたしの誓いをはたす。救は主にある」。

読んだだけではわかりずらいですが、これは『ヨナの悔い改めの祈り』です。
『ヨナ』はおそらく海に投げ入れられた時点で死ぬと思ったのでしょう。
実際に海の荒波にもまれて、生死を境をさまよったはずです。
でも大いなる魚が『ヨナ』を飲み込んだので、『ヨナ』は死にませんでした。
そしておそらく『ヨナ』はそれが神の業であることを悟ったのだと思います。
『あなたはわが命を穴から救いあげられた』
と言っている通り、自分がまだ生きていることに感動したのではないかと思います。
それで『ヨナ』はこれから自分がどうなるともわからない魚の腹の中で、せめて神に祈りをささげようとしました。
それが上記の祈りです。
祈りとは心からの願いであり、良心の叫びにようなものです。
そして『ヨナ』は決意しました。もし、このまま生きながらえることができたなら、その時は神に命令された自らの使命を全うする、という決意です。

そして神は『ヨナ』を救い上げました。

主は魚にお命じになったので、魚はヨナを陸に吐き出した。



第3章『ヨナ』がニネベにいって神の言葉を伝える。

大いなる魚が『ヨナ』を吐き出したところはちょうどニネベのすぐ近くでした。
『ヨナ』はニネベに行って神の言葉を伝え始めます。
これは本当に難しいことで、ニネベはすべて回ろうと思ったら3日はかかるほど大きな町だったとあります。

ヨナはその町にはいり、初め一日路を行きめぐって呼ばわり、「四十日を経たらニネベは滅びる」と言った。
そこでニネベの人々は神を信じ、断食をふれ、大きい者から小さい者まで荒布を着た。
このうわさがニネベの王に達すると、彼はその王座から立ち上がり、朝服を脱ぎ、荒布をまとい、灰の中に座した。
また王とその大臣の布告をもって、ニネベ中にふれさせて言った、「人も獣も牛も羊もみな、何をも味わってはならない。物を食い、水を飲んではならない。
人も獣も荒布をまとい、ひたすら神に呼ばわり、おのおのその悪い道およびその手にある強暴を離れよ。
あるいは神はみ心をかえ、その激しい怒りをやめて、われわれを滅ぼされないかもしれない。だれがそれを知るだろう」。

『ヨナ』がどのように神の言葉を伝えたのか、具体的なことはそんなに書かれていませんが、『ヨナ』の言葉を多くの人が信じたといいます。
そして悔い改めたわけですね。

神は彼らのなすところ、その悪い道を離れたのを見られ、彼らの上に下そうと言われた災を思いかえして、これをおやめになった。

とあるように神もニネベの人が悔い改めたのを見て、ニネベを滅ぼすのをやめました。
神に滅ぼされた町として有名なのはやはり『ソドムとゴモラ』ですね。
ニネベはそうならずに済みました。

さて、それでは最初に書いたように、この『ヨナ』の話がなぜ『召命観』の内容につながるのでしょうか。

『召命』というのは神に呼ばれた立場です。
それは自分が拒絶したとして、信じなかったとしても、自分にふさわしい能力がなかったとしても関係ないことです。
神がもしいるとすれば、自分よりもずっと自分のことをよく知っているので、神に『召命』された時点で、自分のやるべきことを懸命に努力して取り組めば、必ず良い結果がついてくるようになっています。
『ヨナ』もそうでしたね。

ただ、それだけではありません。
『ヨナ』は一度神に背き、逃げ出しました。
神はそれで『ヨナ』をあきらめたでしょうか。『ヨナ』を見捨てたでしょうか。
そうではありません。
『ヨナ』が逃げたことはもちろんよくないことです。
しかし『ヨナ』が悔い改めた後は神は再び『ヨナ』を用いて、ニネベに遣わしました。
一度失敗したとしても神はそれで『はい、終わり』と切り捨てたりするような方ではありません。
心から悔い改め決意した人を再び赦し、大きく用いるのが神です。
旧約聖書に出てくる神は比較的、人の罪を憎む神ですが、それがすべてではなくイエス・キリストが説いた人間を赦す神がこういうところに現れているのではないでしょうか。


第4章 神に対して怒りくる『ヨナ』

???
これで『ヨナ』の話は終わりかと思いきやそうではありません。
この後、なんと『ヨナ』は神に怒り狂います。

ところがヨナはこれを非常に不快として、激しく怒り、主に祈って言った、「主よ、わたしがなお国におりました時、この事を申したではありませんか。それでこそわたしは、急いでタルシシにのがれようとしたのです。なぜなら、わたしはあなたが恵み深い神、あわれみあり、怒ることおそく、いつくしみ豊かで、災を思いかえされることを、知っていたからです。
それで主よ、どうぞ今わたしの命をとってください。わたしにとっては、生きるよりも死ぬ方がましだからです」。
主は言われた、「あなたの怒るのは、よいことであろうか」。
そこでヨナは町から出て、町の東の方に座し、そこに自分のために一つの小屋を造り、町のなりゆきを見きわめようと、その下の日陰にすわっていた。
時に主なる神は、ヨナを暑さの苦痛から救うために、とうごまを備えて、それを育て、ヨナの頭の上に日陰を設けた。ヨナはこのとうごまを非常に喜んだ。
ところが神は翌日の夜明けに虫を備えて、そのとうごまをかませられたので、それは枯れた。
やがて太陽が出たとき、神が暑い東風を備え、また太陽がヨナの頭を照したので、ヨナは弱りはて、死ぬことを願って言った、「生きるよりも死ぬ方がわたしにはましだ」。
しかし神はヨナに言われた、「とうごまのためにあなたの怒るのはよくない」。ヨナは言った、「わたしは怒りのあまり狂い死にそうです」。
主は言われた、「あなたは労せず、育てず、一夜に生じて、一夜に滅びたこのとうごまをさえ、惜しんでいる。
ましてわたしは十二万あまりの、右左をわきまえない人々と、あまたの家畜とのいるこの大きな町ニネベを、惜しまないでいられようか」。

『ヨナ』は神がニネベを赦したのが気に入らなかったようですね。
中々背景が掴みずらいですが、おそらく『ヨナ』はニネベの人々が好ましくなかったのでしょう。
『ヨナ』はヘブライ人です。ニネベに住んでいた人の多くは偶像崇拝しているような人々なので、ヘブライ人ではなかった可能性が高いです。
つまり『ヨナ』にとっては異民族です。だから『ヨナ』は神がニネベを滅ぼしてしまうことを願っていたようですね。とんでもないやつです。
それで『ヨナ』は神が慈しみぶかく、ニネベを赦すことを知っていたので来たくなかったといったのです。

その後、神はとうごまをもって『ヨナ』を諫めました。
『あなたは勝手に生えたとうごまでさえもそれだけ惜しむのだから、私がニネベの町の人々を惜しむのは当たり前ではないか。』というのです。

『ヨナ』は結構気性の激しん人物だったのではないかと思います。

これが旧約聖書に伝わる『ヨナ』の話です。
興味がわいたら一度読んでみてください。
それでは。

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